この記事はAIと人がハイブリットで作成した記事です。
はじめに
AWS Kiro は、2025年7月にAmazonが発表した革新的なAI駆動型統合開発環境(IDE)です。従来の「vibe coding」(感覚的なコーディング)から、より構造化された「spec-driven development」(仕様駆動開発)への移行を支援する新しいツールです。
Kiro は、プロトタイプから本番環境まで、一貫した開発体験を提供し、要件文書、設計書、タスクリストといった仕様書(specs)を活用してAIエージェントをガイドします。さらに、Model Context Protocol(MCP)をサポートしており、外部ツールとの統合が可能です。
Kiro の主要機能
1. Spec-driven Development
- requirements.md: EARS(Easy Approach to Requirements Syntax)形式での要件定義
- design.md: 技術スタックとアーキテクチャの記述
- tasks.md: 実装からデプロイまでの詳細な手順
2. Kiro Hooks
イベント駆動型の自動化機能で、ファイルの保存、作成、削除時に自動でタスクを実行
3. MCP サポート
外部ツールとの連携のためのModel Context Protocol(MCP)をサポート
システム要件
- オペレーティングシステム: Windows、macOS、Linux
- メモリ: 4GB以上推奨
- ストレージ: 2GB以上の空き容量
- ネットワーク: インターネット接続必須
Kiro のインストール
1. ダウンロード
Kiro の公式ダウンロードページ(https://kiro.dev/downloads/)にアクセスし、お使いのOSに対応したインストーラーをダウンロードします。
2. インストール手順(Windows)
# ダウンロードしたインストーラーを実行
kiro-setup-windows.exe
インストール時に、AWS Customer AgreementとAWS Intellectual Property Licenseへの同意が必要です。
3. インストール手順(macOS)
# ダウンロードしたdmgファイルをマウント
open kiro-setup-macos.dmg
# アプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップ
4. インストール手順(Linux)
# debパッケージの場合
sudo dpkg -i kiro-setup-linux.deb
# rpmパッケージの場合
sudo rpm -i kiro-setup-linux.rpm
# AppImageの場合
chmod +x kiro-linux.AppImage
./kiro-linux.AppImage
初期設定
1. 認証
初回起動時に、Google、GitHub、またはAWSアカウントでのログインが求められます。

2. VS Code 設定のインポート
VS Code を使用している場合、VS Codeの設定と拡張機能をインポートできます。

3. テーマ選択
- Kiro Dark: 長時間のコーディングセッション向け
- Kiro Light: 明るい環境での作業向け

4. シェル統合
エージェントがコマンドを実行できるよう、シェル統合の許可が必要です。

すべての設定が完了すると下記のようにkiroが立ち上がります。

Model Context Protocol (MCP) の概要
MCP は、Kiro が外部サーバーと通信して、専門的なツールや情報にアクセスするためのプロトコルです。例えば、AWS Documentation MCP サーバーを使用すると、Kiro内で直接AWSドキュメントを検索・閲覧できます。
MCP の利点
- 専門的な知識ベースやドキュメントへのアクセス
- 外部サービスやAPIとの統合
- ドメイン固有のツールでKiroの機能拡張
- 特定のワークフロー向けカスタムツールの作成
Docker MCP Toolkitの準備
詳しくはこちらの記事で紹介しています。https://note.com/embed/notes/n75c61823f33d
1. Docker の準備
# Docker のインストール(Ubuntu/Debian)
sudo apt update
sudo apt install docker.io docker-compose
# Docker Desktop のインストール(Windows/macOS)
# 公式サイトからダウンロードしてインストール
2. Docker MCP Toolkit の活用
Docker は MCP Catalog と MCP Toolkit をベータ版として提供しており、MCPサーバーの発見、インストール、管理を簡素化します。
Docker Desktop での設定
Docker Desktop 4.43.0以降では、MCP Toolkit がサイドバーに統合されており、ワンクリックでMCPサーバーを起動できます。
MCP 設定ファイルの作成
なんとkiroには簡単なMCP設定方法が実装されています。
下記の図の通り、MCP SEVERSのタブがサイドバーに用意されており、そこでconfigファイルを確認・編集できるようになっています。

そこでMCP_DOCKERの設定を反映すると、サイドバーにもMCP_DOCKERと接続できることが確認できます。

mcp.jsonの設定内容はこちらです。
{
"mcpServers": {
"MCP_DOCKER": {
"type": "stdio",
"command": "docker",
"args": ["mcp", "gateway", "run"],
"env": {}
}
}
}
まとめ
Kiro は「vibe coding から viable code へ」の変革をもたらす革新的なツールです。Docker と MCP の組み合わせにより、セキュアで スケーラブルな開発環境を構築できます。
今後の展望
現在プレビュー版のKiroは、今後無料ティア(月50回のエージェント利用)、Pro(月19ドル、1000回)、Pro+(月39ドル、3000回)の料金体系が予定されています。

Docker と MCP の統合により、AI駆動開発の新しい標準が確立されつつあります。この技術的な組み合わせは、開発者の生産性を大幅に向上させ、より堅牢で保守性の高いアプリケーションの構築を可能にします。